九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第843回九大原子核セミナー

2008年5月16日(金) 16:00〜

講師:藤井新一郎氏 (九州大学)
演題:核子数10を超える原子核構造の現実的核力に基づく微視的記述


概要 :核子-核子散乱実験データ等を再現するように作られた自由空間における核力現実的核力)から出発して原子核構造を微視的に記述することは原子核物理における最も基本的課題の一つである。核力に関する知識が深化し計算機性能が急速に発達するにつれて、この種のいわゆる第一原理計算は近年飛躍的に発展してきている。
一般に、核子数が多くなると核力の近距離に於ける斥力芯の存在とも相まって考慮しなければならない多核子系のヒルベルト空間は実際上取り扱えなくなってくるが、このような困難を克服するためにはある制限された模型空間で機能する有効相互作用を元の核力から微視的に導出することが極めて効果的である。近年、有効相互作用をハミルトニアンの相似変換あるいはユニタリー変換によって導出し、それを用いた構造計算が広く行われるようになってきた。本講演では、この種の微視的有効相互作用を用いた原子核構造計算の世界的な情勢と筆者のp、sd、pf殻核に対する最近の研究、及び今後の展望について紹介
したい。

場所 : 理学部・物理・大学院講義室 ( 理学部2号館2階2263室 )


案内状:
843.pdf
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第842回九大原子核セミナー

2008年5月9日(金) 16:00〜

講師:矢向 謙太郎氏 (東京大学大学院理学系研究科)
演題:(p,n)・(n,p) 反応を用いた二重ベータ崩壊過程の研究


概要 : 二重ベータ崩壊過程のうち、標準理論で許容される2ニュートリノ
二重ベータ崩壊において、その核遷移行列は、親核から中間核、
中間核から娘核への二段階の仮想的なガモフ・テラー遷移として
記述される。その寿命の理解を目的に、いままで、核行列への中
間核の基底状態の寄与がベータ崩壊の測定から、また励起エネル
ギー 5 MeV 程度までの低励起領域の寄与が親核/娘核を標的とし
た荷電交換反応測定から論じられてきた。本研究では、高励起状
態までに渡ってガモフ・テラー遷移強度分布の情報を得るため、
大阪大学 RCNP で 300 MeV にて(p,n)、(n,p) 測定を行った。48Ca、116Cd について結果を報告する。

場所 : 理学部・物理・大学院講義室 ( 理学部2号館2階2263室 )

案内状:
842.pdf
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