九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第848回九大原子核セミナー

2008年11月21日(金) 16:00

講師:全 卓樹 氏 (高知工科大学)
演題:エキゾティックな量子ホロノミ

概要 :
「量子ホロノミ」とは、量子系にパラメタの断熱的変化がある時、ある固有状態が、パラメタが周回してもとの値に戻った後も元に戻らない現象の事である。この代表例に有名な「ベリー位相」があり、よく知られる通り、そこではパラメタの周回の後に余分な位相が現れるのである。そしてこの余分な位相は、パラメタ空間上の「ミード=ベリー接続ゲージ場」の経路積分で与えられる。ベリー位相は縮退系に於いて、パラメタの断熱的周回の後、縮退レベル中のある状態が別な状態に移行する「ウィルチェク=ジー」ホロノミへと拡張された。今回の講演では、量子ホロノミ現象に、これまで余り知られていなかった「螺旋状ホロノミ」という第3の種類があり、そこでは断熱的パラメタ周回とともに、ある固有状態が別のものに変化する事を説明したい。そしてこの螺旋状ホロノミを含めた「量子ホロノミの統一理論」をミード=ベリーの接続場に基づいて作る事が可能である事を示し、さらに、ミード=ベリーの接続場のどのような特徴が量子ホロノミの起源となっているかについて考察したい。

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