九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第857回九大原子核セミナー

2009年5月22日(金) 16:30

講師:柏 浩司氏 (九州大学)
演題:純虚数化学ポテンシャルの情報を利用した量子色力学の相構造研究

概要 :

量子色力学(QCD)の有限温度・実数化学ポテンシャルでの相構造研究は、重イオン衝突実験や重い星の物理に関係する近年注目が集まっている研究の一つである。もちろん、相図上の全ての領域でQCDを直接計算することができれば、QCD相構造を何の不定性も無く決定することが可能である。しかし、QCD を用いた第一原理計算は、有限の実数化学ポテンシャルを考えると計算が破綻してしまい、近似的手法を用いても限られた領域しか計算する事ができない。そのため、有限実数化学ポテンシャルでの研究では、QCD の低エネルギー有効模型がよく用いられてきた。しかし、有効模型には相互作用部分に大きな不定性がある。そこで、我々は虚数化学ポテンシャルに着目する。この領域では、実数化学ポテンシャル領域とは異なり、第一原理計算が可能である。つまり、この領域で第一原理計算と有効模型の比較を行うことによって、有効模型の不定性を排除できる可能性がある。
本セミナーでは、この有効模型の不定性を虚数化学ポテンシャルでの情報を用いて排除する方法を紹介する。857.pdf
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