九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第859回九大原子核セミナー

2009年7月22日(水) 16:30

講師:本林 透 氏 (理化学研究所)
演題:理研 RI ビームファクトリーによる原子核・元素合成研究の展開


2006 年末に最初のビームを発生した理研 RI ビームファクトリー(RIBF)の新施設では、その後加速器の調整が進み、昨年末には最初の RI ビームによる核反応実験が行われた。RIBF は新世代の不安定核ビーム施設として最初に完成し、当面世界最高強度の RI ビーム強度を発生し、安定線から最も遠い核に到達できる施設となる。より広い核領域で研究を展開し、原子核の理解に本質的な進展をもたらすこと目指している。もう一つの眼目は、超新星に代表される高温・高密度状態での爆発的元素合成過程の研究である。今まで到達できなかった不安定核の性質を実験的に調べることによって、物質創成のシナリオを明らかにしたい。860.pdf
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第860回九大原子核セミナー

2009年7月31日(金) 16:30

講師:池田 陽一氏 (理化学研究所)
演題:barK N Interaction and Three-body Resonance with Coupled-Channel Chiral Dynamic



概要 :反K中間子ー核子(KN)相互作用は非常に引力的であることが知られている。これにより、KN閾値より下に存在するLambda(1405)共鳴状態をKN準束縛状態として記述することができる。さらに近年は、KN相互作用を有効カイラルラグランジアンを用いて記述する方法が提案され、大きな成功を収めている。しかしながら、有効カイラルラグランジアンを用いたKN相互作用の記述の仕方には大きく分けて二通りあり、これら違いはKNと結合するπΣのダイナミクスに現れる。本研究は、このπΣのダイナミクスを探り、KN相互作用の本質を導きだすことを目標としてKNNーπYNの三体共鳴状態(Strange dibaryon)をFaddeev方程式を解くことで調べた。この結果、KN相互作用の記述の仕方によりStrange dibaryonの共鳴エネルギーが大きく異なることが理解された。
セミナーでは、有効カイラルラグランジアンによるKN相互作用の記述の仕方、及びFaddeev方程式によるStrange dibaryonの解析方法を説明し、我々の得た結果を報告する。

 859.pdf
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