九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第868回九大原子核セミナー

2010年4月30日(金) 16:00

講師:八尋 正信氏(九州大学)
演題:Microscopic approach to reaction of unstable nuclei
      (不安的核反応に対する微視的アプローチ)

場所:理学部物理大学院講義室(理学部2号館2階2263室)

概要 :
 不安定核反応は、二つの特徴を持っている。一つは入射粒子分解過程が重要であることあり、もう一つは測定が前方角に集中していることである。九大グループによって開発された離散化チャネル結合法(CDCC法)は、入射粒子分解過程を取り扱うための方法である。
1)この方法が特に前方散乱に対して、精緻な方法であることを理論的に示す。
2)次に、最近進展したFaddeev計算の解とCDCC解を、重陽子散乱に関して比較し、
  上記の理論的帰結が正しいこと具体的に確認する。

次に、最近のCDCC法の進展について述べる。
3)CDCC法を用いて、クーロン分解を取り扱う方法、Eikonal−CDCCについて述べ
  る。
4)従来のCDCC法は三体分解過程を取り扱う理論である。(これをThree-body
  CDCCという。)一方、実験的に関心の高い6He入射反応は、4He、n、n、標的核
  (A)からなる4体系であり、Three-body CDCCは用いることができない。このた
  め、Three-body CDCCを拡張して、4体分解反応に対するCDCC理論を最近
  構築した。このFour-body CDCCについて言及する。また、6Li散乱にもこの
  理論を適用する。
5)CDCC理論のハミルトニアンには、4He+A系やn+A系に対して現象論的光学ポテ
  ンシャルが用いられている。しかし、このような現象論的光学ポテンシャルが常に準
  備されている保証はない。そこで、微視的に光学ポテンシャルを構築できるかを議論
  する。今回は、核子+核散乱に注目する。

最後に、inclusive反応に注目する。
6)グラウバーモデルの問題点を指摘して、これを改善する方法として、Improved 
  Glauber理論について言及する。
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