九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第933回九大原子核セミナー

2016年7月1日(金) 16:30〜18:00

講師:中里健一郎(九州大学)

演題:高密度天体における非一様状態の核物質

場所:ウェスト1号館7階 物理学部門会議室 (W1-A-711室)

概要:
中性子星は「コア」と呼ばれる核密度と同程度からその数倍の密度をもつ中心領域と、その外側を薄皮のように取り巻く「クラスト」と呼ばれる低密度の領域から成ると考えられている。コアの特に飽和密度に近い領域では核子が一様に分布しているが、クラストでは核子がクラスター(原子核)を形成して格子を組んだような非一様状態が実現していると考えられている。さらにクラストのなかでもコアの直近の領域では、原子核の形状が球形から円柱形、板形へと変形し、さらに密度が上がると、円柱形の穴があいた構造、球形の穴があいた構造が続いて現れることが指摘されている。これらの構造はまとめてパスタ構造と呼ばれている。また、こうした非一様な構造は中性子星が形成する前の超新星爆発の段階から存在していると考えられている。
今回の講演では、こうした非一様核物質の性質が飽和密度付近における一様核物質の状態方程式と関連していることを説明し、それが強磁場中性子星の準周期的振動や超新星爆発におけるニュートリノ放射といった天体現象とも関係することを紹介する。

q933.pdf
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