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過去の特別研究情報
2018年度
- 研究課題:
- コンピュータを用いた少数多体系計算
- 担当:
- 肥山詠美子 教授
- 内容:
-
大学院修士課程に入ってスムーズに研究が進むように、前期では実際にコンピュータ(FORTRAN)を活用して、計算しながら量子力学を理解する。必要であれば各自にノートPCを貸し出す。
具体的な計算内容としては以下のことを予定している。
- いろいろな2体問題の変分法による計算
- 3次元調和振動子の固有値問題
- 水素原子の固有値問題
- 重陽子2体問題と核力について
- 構成子クォーク模型によるメソンの固有値問題
- 3次元調和振動子の固有値問題
- 5ΛHe (α-Λ)の2体問題
- 3体問題計算について
- He-e-eの3体問題
- 3H・3Heの3体問題
- 12Cの3体問題
前期でどこまで行うかは学生の進度によるが、後期に続きを行うことも可能である。
- 回数・進め方など:
-
特研は週に1回教員と学生が集まり、教員が計算課題およびその課題に必要な知識を講義する。
学生には取り組んだ課題の数値計算結果や、それから得られる物理を報告してもらい、研究上の議論の仕方を学んでもらう。
最初は計算コードをこちらで用意するので、プログラミングに自信の人でも比較的取り組みやすいように工夫してある。
その後は、自力でプログラミングをしてもらうなど、こちらで判断して適宜課題をあたえる。
特研の後半は、肥山・松本のそれぞれの教員と具体的な課題を決めて研究の第一歩を踏むことになる。
卒業論文の執筆は課さないが、一年間の最後には前期・後期で学習した内容をまとめて、研究室内で成果発表を行なうことを予定している。
2017年度
- 研究課題:
- 教科書「素粒子・原子核物理入門」の輪講
- 担当:
- 清水良文 准教授
- 内容:
-
上記の教科書
「素粒子・原子核物理入門」(B.ポップ、K.リーツ、C.ショルツ、F.サッチャ著、柴田 利明訳(スプリンガー・フェアラーク東京、1997)
の輪講を行う。この教科書はドイツのハイデルベルグ大学の学部 3年後期の原子核物理学・素粒子物理学の講義に基づいて書かれたものであり、この分野を深く学ぶ学生のために必要な基礎知識を伝えることを主たる目的にしている。現在までに得られた素粒子・原子核物理学の重要な知見がかなり手際良くまとめられており、将来必ずしも原子核物理学の研究を行なわない人にとっても、その知見は基礎的素養として将来的にも役立つだろう。また、現代物理学の最先端の香りに触れるという面でも十分興味深い教科書になっていると思われる。
- 回数・進め方など:
-
最低毎週2回(1回は教員と学生、もう1回は学生のみで)集まって討論を行なう輪講形式で学習を進めて行く。この時、一人が発表者となって教科書の担当部分の内容を説明し、それに対して全員が質問等をして理解を深める。
前期は以上のような教科書の輪講によって、原子核物理(ハドロン物理を含む)の基本的なところを勉強するが、後期は学生の希望に応じて、より深い原子核物理の学習に進む予定である。なお、前期の教科書の輪講は責任者の清水が担当するが、後期はテーマに応じて研究室の全教官(八尋、清水、松本)で指導を行なう。
卒業論文の執筆は課さないが、一年間の最後には前期・後期で学習した内容をまとめて、研究室内で成果発表を行なうことを予定している。
2016年度
- 研究課題:
- コンピュータを用いた原子核物理超入門
- 担当:
- 松本琢磨 助教
- 目的:
-
コンピュータを用いて原子核反応の記述を行い, その結果を分析することによって量子力学の理解を深めることを目的とする。
また原子核の基本的な性質についてもその計算を通じて理解していく。
最終的には宇宙や星の中で起きている核反応, 原子核実験で測定されたデータの解析を自分自身の作成したプログラムで行えるようになることを目指す。
- 具体的な内容:
-
こちらで用意した原子核研究の初歩をまとめたテキストに従って進めていく。
そのなかでプログラムの作成, グラフの作成等の課題があるので, その結果や成果を毎週一度報告する形をとる。
テキスト前半の課題では, 基本的なプログラムはこちらで用意してあるので, その中を少し書き換える形で,
後半から自分自身でプログラムを組んでいくことになる(プログラム言語はFortranを使用)。
これと並行して, 週に1度学生たちのみで量子力学の初歩的な教科書の輪講を行う。
こちらに関しては, 教科書の選定などは学生に任せる。
学生同士で自由に議論し, 上記の研究と連動させることにより, 量子力学の内容を確実に身につけることを目指す。
後期の研究に関しては, 八尋・清水・松本のいずれかの指導の下, 原子核理論(ハドロン物理を含む)のさらに進んだ内容を学習あるいは研究する。
卒論は課さない。
ただし, 年度末に研究室内で研究総合報告会を開催する予定である。
- その他:
-
この特別研究では, 実際に原子核構造, 反応の研究の初歩を体験する形であるので,
研究室を拠点として真剣にテーマに取り組む姿勢が必須となります。
学生各人に机とノートパソコンが割り当てられるのでそちらを利用して研究を進め, また周りにいる先輩方にアドバイスをもらい, "研究を行う"という雰囲気を味わってほしいと思います。
2015年度
- 研究課題:
- 教科書「素粒子・原子核物理入門」の輪講
- 担当:
- 清水良文 准教授
- 内容:
-
上記の教科書
「素粒子・原子核物理入門」(B.ポップ、K.リーツ、C.ショルツ、F.サッチャ著、柴田 利明訳(スプリンガー・フェアラーク東京、1997)
の輪講を行う。この教科書はドイツのハイデルベルグ大学の学部 3年後期の原子核物理学・素粒子物理学の講義に基づいて書かれたものであり、この分野を深く学ぶ学生のために必要な基礎知識を伝えることを主たる目的にしている。現在までに得られた素粒子・原子核物理学の重要な知見がかなり手際良くまとめられており、将来必ずしも原子核物理学の研究を行なわない人にとっても、その知見は基礎的素養として将来的にも役立つだろう。また、現代物理学の最先端の香りに触れるという面でも十分興味深い教科書になっていると思われる。
- 回数・進め方など:
-
最低毎週2回(1回は教員と学生、もう1回は学生のみで)集まって討論を行なう輪講形式で学習を進めて行く。この時、一人が発表者となって教科書の担当部分の内容を説明し、それに対して全員が質問等をして理解を深める。
前期は以上のような教科書の輪講によって、原子核物理(ハドロン物理を含む)の基本的なところを勉強するが、後期は学生の希望に応じて、より深い原子核物理の学習に進む予定である。なお、前期の教科書の輪講は責任者の清水が担当するが、後期はテーマに応じて研究室の全教官(八尋、清水、松本)で指導を行なう。
卒業論文の執筆は課さないが、一年間の最後には前期・後期で学習した内容をまとめて、研究室内で成果発表を行なうことを予定している。
2014年度
- 研究課題:
- 場の理論とハドロン物理
- 担当:
- 八尋正信 教授
- 回数:
- 週2回、午後から2時間程度。
- 受講条件:
- 量子力学I、U、Vの単位を修得し、内容の習熟していることが望ましい。
- 内容:
-
ハドロン物理は、「場の理論」を基礎理論としている。しかし、場の理論は難解である。
この難解さを克服する秘訣は、量子力学の復習をしながら場の理論の初歩をじっくりと理解することにある。
そのため、教科書として、ストーリーが分かりやすい「場の量子論」(坂井典祐著、裳華房)と具体的計算法が明記してある「演習 場の量子論」(柏太郎著、サイエンス社)を併用する。
また、量子力学の復習を適宜行う。
教科書:「場の量子論」(坂井典祐著、裳華房)、「演習 場の量子論」(柏太郎著、サイエンス社)
前期は週一回、上記の教科書を学生+教員で輪講を行う。
このとき、担当者は十分に内容を把握し、その内容のレジュメを作って発表する。
これによって、内容を読破し整理する力、人に説明する力が要請される。
また、週一回、学生だけで教科書の内容を自由討論し、問題などに挑戦する。
これによって、議論する能力が養成される。
後期は、ハドロン物理、原子核構造論、原子核反応論のゼミをそれぞれ三カ月間行う。
八尋、清水、松本と一緒に、具体的課題を決めて研究の初歩を体験し、研究の醍醐味を経験する。
また、その課題に必要な基礎理論を学習してゆく。
最後に、一年間の研究成果を研究室のメンバーの前で発表する。ただし、卒業論文は課さない。
2013年度
- 研究課題:
- コンピュータを用いた原子核物理超入門
- 担当:
- 松本琢磨 助教
- 目的:
-
コンピュータを用いて原子核反応の記述を行い, その結果を分析することによって量子力学の理解を深めることを目的とする。
また原子核の基本的な性質についてもその計算を通じて理解していく。
最終的には宇宙や星の中で起きている核反応, 原子核実験で測定されたデータの解析を自分自身の作成したプログラムで行えるようになることを目指す。
- 具体的な内容:
-
こちらで用意した原子核研究の初歩をまとめたテキストに従って進めていく。
そのなかでプログラムの作成, グラフの作成等の課題があるので, その結果や成果を毎週一度報告する形をとる。
テキスト前半の課題では, 基本的なプログラムはこちらで用意してあるので, その中を少し書き換える形で,
後半から自分自身でプログラムを組んでいくことになる(プログラム言語はFortranを使用)。
これと並行して, 週に1度学生たちのみで量子力学の初歩的な教科書の輪講を行う。
こちらに関しては, 教科書の選定などは学生に任せる。
学生同士で自由に議論し, 上記の研究と連動させることにより, 量子力学の内容を確実に身につけることを目指す。
後期の研究に関しては, 八尋・清水・松本のいずれかの指導の下, 原子核理論(ハドロン物理を含む)のさらに進んだ内容を学習あるいは研究する。
卒論は課さない。
ただし, 年度末に研究室内で研究総合報告会を開催する予定である。
- その他:
-
この特別研究では, 実際に原子核構造, 反応の研究の初歩を体験する形であるので,
研究室を拠点として真剣にテーマに取り組む姿勢が必須となります。
学生各人に机とノートパソコンが割り当てられるのでそちらを利用して研究を進め, また周りにいる先輩方にアドバイスをもらい, "研究を行う"という雰囲気を味わってほしいと思います。
2012年度
- 研究課題:
- 教科書「素粒子・原子核物理入門」の輪講
- 担当:
- 清水良文 准教授
- 内容:
-
上記の教科書
「素粒子・原子核物理入門」(B.ポップ、K.リーツ、C.ショルツ、F.サッチャ著、柴田 利明訳(スプリンガー・フェアラーク東京、1997)
の輪講を行う。この教科書はドイツのハイデルベルグ大学の学部 3年後期の原子核物理学・素粒子物理学の講義に基づいて書かれたものであり、この分野を深く学ぶ学生のために必要な基礎知識を伝えることを主たる目的にしている。現在までに得られた素粒子・原子核物理学の重要な知見がかなり手際良くまとめられており、将来必ずしも原子核物理学の研究を行なわない人にとっても、その知見は基礎的素養として将来的にも役立つだろう。また、現代物理学の最先端の香りに触れるという面でも十分興味深い教科書になっていると思われる。
- 回数・進め方など:
-
最低毎週2回(1回は教員と学生、もう1回は学生のみで)集まって討論を行なう輪講形式で学習を進めて行く。この時、一人が発表者となって教科書の担当部分の内容を説明し、それに対して全員が質問等をして理解を深める。
前期は以上のような教科書の輪講によって、原子核物理(ハドロン物理を含む)の基本的なところを勉強するが、後期は学生の希望に応じて、より深い原子核物理の学習に進む予定である。なお、前期の教科書の輪講は責任者の清水が担当するが、後期はテーマに応じて研究室の全教官(八尋、清水、松本)で指導を行なう。
卒業論文の執筆は課さないが、一年間の最後には前期・後期で学習した内容をまとめて、研究室内で成果発表を行なうことを予定している。
2011年度
- 研究課題:
- 場の理論とハドロン物理
- 担当:
- 八尋正信 教授
- 回数:
- 週2回、午後から2時間程度。
- 受講条件:
- 量子力学I、U、Vの単位を修得し、内容の習熟していることが望ましい。
- 内容:
-
ハドロン物理は、「場の理論」を基礎理論としている。しかし、場の理論は難解である。
この難解さを克服する秘訣は、量子力学の復習をしながら場の理論の初歩をじっくりと理解することにある。
そのため、教科書として、ストーリーが分かりやすい「場の量子論」(坂井典祐著、裳華房)と具体的計算法が明記してある「演習 場の量子論」(柏太郎著、サイエンス社)を併用する。
また、量子力学の復習を適宜行う。
教科書:「場の量子論」(坂井典祐著、裳華房)、「演習 場の量子論」(柏太郎著、セイエンス社)
前期は週一回、上記の教科書を学生+教官で輪講を行う。
このとき、担当者は十分に内容を把握し、その内容のレジュメを作って発表する。
これによって、内容を読破し整理する力、人に説明する力が要請される。
また、週一回、学生だけで教科書の内容を自由討論し、問題などに挑戦する。
これによって、議論する能力が養成される。
後期は、ハドロン物理、原子核構造論、原子核反応論のゼミをそれぞれ三カ月間行う。
八尋、清水、緒方と一緒に、具体的課題を決めて研究の初歩を体験し、研究の醍醐味を経験する。
また、その課題に必要な基礎理論を学習してゆく。
最後に、一年間の研究成果を研究室のメンバーの前で発表する。ただし、卒業論文は課さない。
2010年度
- 研究課題:
- 「宇宙核反応研究」体験版
- 担当:
- 緒方一介 助教
- 目的:
-
コンピュータを用いて原子核反応の記述を行い、その結果を分析することによって、
量子力学の理解を深めながら、原子核反応研究を実際に体験する。
最終的には、宇宙や星の中で起きている核反応(元素合成反応)を自らの手
で計算できるようになることを目的とする。
- 具体的な内容:
-
毎週、原子核反応に関連するトピックを設定し、“研究”のテーマを与える。学生各人は1週間掛けてそのテーマに取り組み、週に1度の研究報告会で成果を発表する。研究は、基本的にコンピュータ上でプログラムを動かすことによって行うが、基礎となるプログラム(サンプル)はこちらで用意する。
これと並行して、週に1度、学生たちのみで、量子力学の初歩的な教科書の輪講を行う。教科書の選定は、原則として学生に任せる。学生同士で自由に議論し、また、上に述べた研究活動と連動させることにより、量子力学の内容を確実に身につけることを目指す。
後期は、学生それぞれの希望に応じて、八尋・清水・緒方のいずれかの指導の下、原子核理論(ハドロン物理を含む)のさらに進んだ内容を学習あるいは研究する。
卒論は課さない。ただし年度末に研究室内で研究総合報告会を開催する予定である。
- その他:
- この特別研究では、実際に原子核反応の研究を体験してもらうので、研究室を拠点とし、真剣にテーマに取り組む姿勢が必須となるでしょう。学生各人には、机とコンピュータが割り当てられます。与えられた環境を活かし、大学院生と生活を共にすることによって、研究の醍醐味を味わって欲しいと思います。
2009年度
- 研究課題:
- 教科書「素粒子・原子核物理入門」の輪講
- 担当:
- 清水良文 准教授
- 内容:
-
上記の教科書
「素粒子・原子核物理入門」(B.ポップ、K.リーツ、C.ショルツ、F.サッチャ著、柴田 利明訳(スプリンガー・フェアラーク東京、1997)
の輪講を行う。この教科書はドイツのハイデルベルグ大学の学部 3年後期の原子核物理学・素粒子物理学の講義に基づいて書かれたものであり、この分野を深く学ぶ学生のために必要な基礎知識を伝えることを主たる目的にしている。現在までに得られた素粒子・原子核物理学の重要な知見がかなり手際良くまとめられており、将来必ずしも原子核物理学の研究を行なわない人にとっても、その知見は基礎的素養として将来的にも役立つだろう。また、現代物理学の最先端の香りに触れるという面でも十分興味深い教科書になっていると思われる。
- 回数・進め方など:
-
最低毎週2回(1回は教員と学生、もう1回は学生のみで)集まって討論を行なう輪講形式で学習を進めて行く。この時、一人が発表者となって教科書の担当部分の内容を説明し、それに対して全員が質問等をして理解を深める。
前期は以上のような教科書の輪講によって、原子核物理(ハドロン物理を含む)の基本的なところを勉強するが、後期は学生の希望に応じて、より深い原子核物理の学習に進む予定である。なお、前期の教科書の輪講は責任者の清水が担当するが、後期はテーマに応じて研究室の全教官(八尋、清水、緒方)で指導を行なう。
卒業論文の執筆は課さないが、一年間の最後には前期・後期で学習した内容をまとめて、研究室内で成果発表を行なうことを予定している。
2008年度
- 研究課題:
- 場の理論とハドロン物理
- 担当:
- 八尋正信
- 回数:
- 週2回、午後から2時間程度。卒論はなし。ただし年度末に研究報告会を実施する予定。研究室に積極的に係わり、院生と同じ生活をして研究の醍醐味に接したい人には、机を準備する予定である。但し、研究室が狭いため、机2つ程度を用意することを考えている。
- 受講条件:
- 量子力学I、U、Vの単位を修得し、内容の習熟していることが望ましい。
- 内容:
-
ハドロン物理は、場の理論を基礎理論としている。
しかし、場の量子論は難解な理論である。この難解さを克服する場の理論の初歩をしっかり勉強することである。
まさしく、この視点から書かれた本が以下のものである。
教科書:「演習 場の量子論」(柏太郎著、セイエンス社)
前期は以下のように、卒業研究を進める。
週一回は、上記の教科書を学生+教官で輪講を行う。
このとき、担当者は十分に内容を把握し、その内容のレジメを作って発表する。
これによって、内容を読破し整理する力、人に説明する力が要請される。
また、週一回、学生だけで教科書の内容を自由討論し、問題などに挑戦する。
これによって、議論する能力が要請される。
後期は、ハドロン物理、原子核構造論、原子核反応論の中から好きな分野を選び、
八尋、清水、緒方の何れかと一緒に、具体的課題を決めて研究の初歩を経験し、研究の醍醐味を経験する。
また、その課題に必要な基礎理論を学習してゆく。最後に、一年間の研究成果を研究室のメンバーの前で発表する。
ただし、卒業論文は課さない。
2007年度
- 研究課題:
- 教科書「原子核物理学」の輪講と原子核の初歩的な研究
- 担当:
- 緒方 一介(責任者)、八尋正信、清水良文
- 回数:
- 週2回、午後から2〜3時間程度。うち1回は学生のみによる自主研究
- 受講条件:
- 量子力学I、IIの単位を修得し、 内容に習熟していることが望ましい。
- 内容:
-
前期は、八木浩輔著「原子核物理学」(朝倉書店)の輪読をゼミ形式で行う。
週1日は、教員(緒方)と学生で教科書を輪講し、これとは別に週1日、輪講の準備・ 復習のため学生たちだけで議論する日を設ける。
ゼミ形式であるので、教科書の字面を追い掛けるのではなく、 別の参考書を適宜利用するなどして、内容の深い理解に努めることが重要である。
また、学生同士で自由闊達な議論を行い、主体的な学習形態を身につけることも 強く望まれる。
このため、研究室では4年生用の部屋を用意する予定である。
なお、スタッフと大学院生で行っている文献紹介・セミナー等には自由に 参加することができ、
研究の最前線の雰囲気に学部生の段階から触れることも 可能となっている。
後期は、学生個人の興味に応じて、適切な教科書の輪講を行う。場合によっては 初歩的な研究にも着手する。
具体的な内容は学生の希望を尊重しつつ、担当する
各教員 (八尋・清水・緒方)が決定する。なお、実際の研究には数値計算が付きものであるが、
ほぼ学生ひとりにつき1台のコンピュータが割り当てられるので、かなり自由
に数値計算法の習得に励むことが出来る。
卒論は課さないが、年度末に研究室で成果発表会が開かれる。
学生は1年間の学習 (研究)内容を纏め、報告することが義務づけられる。
2006年度
- 研究課題:
-
前期『素粒子・原子核物理入門』(B.ポップ、K.リーツ、C.ショルツ、F.サッチャ著)の輪講
後期 各人それぞれのテーマに取り組む
- 担当:
-
前期 清水
後期 八尋、清水、緒方
- 回数:
-
毎週2回。
また一年間の最後に前期・後期で学習した内容をまとめて、研究室内で成果発表を行なう。卒業論文は課さない。
また、強制はしないが大学院生を交えた研究室のセミナー等にも参加することが求められる。
- 内容:
-
近年、量子色力学(QCD)理論を基礎にして、原子核を含むハドロン多体系を研究することが盛んになってきている。
他方、核子多体系の物理としての原子核固有の研究においても、加速器や観測装置の発展により自然に存在する場合とは
全く異なった極限状態のもとで原子核を研究する事が可能となり、原子核の示す新しい様相が明らかになりつつある。
このような現状において、原子核物理学の本格的研究を始める前に、素粒子・原子核物理の基本的事項を少し広い視野から
勉強することは、大変意義のあることであると思われる。この教科書では、現在までに得られた素粒子・原子核物理学の重要な知見が、
かなり手際良くまとめられており、将来必ずしも原子核物理学の研究を行なわない人にとっても、
その知見は基礎的素養として将来的にも役立つと信ずる。
この特別研究では1年間継続を前提とする。 前期は、毎週2回(1回は教員と学生、もう1回は学生のみで)集まって討論を
行なう輪講形式で学習を進めていく。
この時、一人が発表者となって教科書の担当部分の内容を説明し、 それに対して全員が質問等をして理解を深める。
このように教科書の内容を 理解し整理するだけでなく、他の人に説明する能力が要請される。
目標は、教科書の第I部を終えることである。ただし、学生諸君の希望に応じて予定は変更可能である。
なお、勉強の前提となる学力については、力学・電磁気学などの基礎的素養に加えて、量子力学の初歩的な部分は必須である。
自信のない人は本特別研究を始める前に勉強し直しておくことが必要である。
前期の輪講によって、原子核物理(ハドロン物理を含む)の基本的なところを勉強した後に、後期ではそれぞれの学生の希望に応じて、
より深い原子核物理の学習に進むことを考えている。すなわち、前期で学習した内容またはその周辺で興味を持ったテーマについて、
別の教科書や原著論文を読むことにより最新の研究に近いところまで進む予定である。
2005年度
- 研究課題:
- 『量子色力学とハドロン物理』
- 担当:
- 八尋
- 回数:
-
週2回、午後から2〜3時間程度。卒論はなし。ただし年度末に研究報告会を実施する予定。卒研以外のときも、
昼間は研究室に滞在し勉強することを原則とする。(院生と同じ生活をし、研究の醍醐味に接してください。)このため、研究室に机を用意する予定。
- 内容:
-
ハドロン物理は素粒子物理と原子核物理の境界領域で、活発な研究がなされている。
特に、様々な新粒子の発見、新しい相転移の発見が注目されている。
この最先端の分野の研究の第一歩として、相対論的量子力学、場の理論の初歩、量子電磁気学、対称性と保存則、クォークモデル、
量子色力学を習得する。前期は、相対論的量子力学、場の理論の初歩、量子電磁気学の習得を目標とする。
残りは、後期に学習する。前期の教科書は、「素粒子物理学の基礎I」(朝倉書店、長島順清著)、
後期は「素粒子物理学の基礎II」(朝倉書店、長島順清著)を予定している。
しかし、セミナーのスピードは理解度にあわせるので、予定が変わる可能性がある。2回のセミナーの内、1回は学生と教官で行い、
残りの1回は、学生の主体性を育てるために、学生だけの自主ゼミとする。
1年間興味を持続させ、“おはなし”レベルではない研究を成し遂げることは、決して楽ではないことを付記しておく。
配属されるまでに、量子力学I, IIの内容をよく復習し理解しておくことが望ましい。
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