九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第921回九大原子核セミナー

2014年12月18日(木) 15:00

講師: 富谷 昭夫 (大阪大学)

演題:カイラルフェルミオンを用いた高温QCDにおけるU(1) アノマリーの解析

場所:理学部物理第三講義室(理学部2 号館2 階2249 室)

概要:
 最近の研究で、高温QCDにおいてSU(2)L  SU(2)R のカイラル対称性とともに、量子異常のある軸性U(1) 対称性が回復するという可能性が示されている。格子シミュレーションをつかったほぼ全ての先行研究では、軸性U(1) 対称性の回復については、否定的な結論が得られていた。しかしながら、それらのシミュレーションでは、数値計算コストの問題からカイラル対称性を持たないフェルミオンが使われきた。
 本研究の目的は、カイラル対称性を精密に保ったフェルミオンを用いた数値計算により、この軸性U(1) 対称性の回復の有無を判定することである。今回は、これらの軸性U(1) 対称性の有無と密接な関係のあるDirac 演算子の固有値分布に現れるギャップについて、その体積依存性、クォーク質量依存性、そして有限格子間隔からくるカイラル対称性の破れの影響について議論する。


q921.pdf
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