九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第833回九大原子核セミナー

2007年11月2日(金) 16:00〜

講師:北沢 正清 氏 (大阪大学)
演題:クォーク・グルオン・プラズマ相におけるクォークの探求


概要 : ハドロン物質は、超高温において非閉じ込め相転移を起こす。この相転移より高温の状態はクォーク・グルオン・プラズマ(QGP)相と呼ばれており、この相ではクォークとグルオンが系の基本的自由度として振る舞っていることが期待される。本研究では、有限温度格子QCD数値シミュレーションを用いて臨界温度付近のQGP相におけるクォークの動的性質の解析を行う。
 有限温度におけるクォークは、媒質効果によりDirac質量とは異なるメカニズムで質量を獲得する他、plasminoモードと呼ばれる真空のDirac粒子には存在しない集団運動モードを持つことが知られている。これら有限温度特有の現象を理解するため、本講演ではまず単純な模型と摂動計算を用いてクォークの性質を調べ、これらの現象の物理的起源を議論する。次に、本講演の本題である、格子QCDによるクォーク伝搬関数の解析結果を示し、摂動計算との整合性を確かめながらその性質を議論する。

場所 : 理学部・物理・大学院講義室 ( 理学部2号館2階2263室 )
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