九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第851回九大原子核セミナー

2008年12月19日(金) 16:00

講師:松尾 正之 氏 (新潟大学)
演題:ダイニュートロン相関と対移行

概要 :
ダイニュートロン相関は中性子過剰核の物理において活発に研究されているトピックのひとつである。これは、中性子過剰核の核表面での低中性子密度のために、原子核の基本的な相関のひとつである対相関が安定核とは異なった様相を示したものと私達は考えている。その原因は、低密度領域では核力の引力が実効的に強くなることに求めることができ、このため、弱結合が仮定されるBCS理論のクーパー対という描像からのずれが大きくなり、強い束縛が形成する小さなサイズのボーズ粒子が凝縮する(ボーズ凝縮)状況に接近してくるのである。この描像が正しければ、11Liや6Heで議論されているダイニュートロン相関は広い普遍性をもち、中重質量原子核でも発現すると期待できる。中重領域核での検証を目指したい。この目的のためには、もちろん、このダイニュートロン相関がどのような物理量にどのように反映するかを明らかにすることが重要になる。このセミナーでは、中性子の対移行プロセスがそのような指標になる可能性について、私達の最新の研究結果を紹介する。

851.pdf
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