九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第865回九大原子核セミナー

2009年12月25日(水) 16:00

講師: 猿渡 元彬 氏 (九州大学)
演題:ニュートリノの効果を含んだ磁気回転爆発に伴う重元素合成
場所:理学部物理大学院講義室(理学部2号館2階2263室)

概要 :
 重力崩壊型超新星爆発のメカニズムは未だ謎が多く、数値計算を用いた多くのシミュレーションがなされている。太陽質量の10倍以上の星の超新星爆発時には
r-processと呼ばれる元素合成が起こると考えられ、我々もこれまでいくつかのモデルに関して磁場や回転といったパラメータを変えながらr- process元素合成シミュレーションを行った。
 これまでの我々の13Mを用いたモデル計算で超新星爆発のMHDシミュレーションにおいて、非球対称爆発の効果によりr-processが実現することが分かった。しかし、このシミュレーションは断熱的なものでありニュートリノに関しては考慮していなかった。重力崩壊型超新星爆発では星の内部で電子捕獲反応によりニュートリノが作られ、爆発エネルギーのほとんどがニュートリノと
して放出される。最新の球対称シミュレーションによれば爆発に対してニュートリノによる加熱が影響すると考えられており、多くの研究がなされているが、電子捕獲反応や、中性子によるニュートリノの捕獲によってYeが変化するため
r-processへの影響も考えられる。
 そこで、13Mのpresupernova modelに磁場と回転を初期条件として入れ、さらにニュートリノの効果をLeakage schemeを用いて重力崩壊とバウンスのシミュレーションを行うことで、r-processが実現するようなYeの低い領域が吹き飛ばされるかを見た。今回それらに対して元素合成計算を行い、太陽系組成と比較し議論する。865.pdf
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