九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第891回九大原子核セミナー

2011年11月11日(金) 16:30

講師:坂口 聡志 氏 (九州大学)
演題:不安定核からの偏極陽子散乱
    Scattering of “spin-polarized” protons from unstable nuclei
場所:理学部 物理大学院講義室(理学部2号館2階2263室)

概要:
 自然界に存在しない不安定な原子核には、中性子スキン/ハローや殻構造の変化などの新奇な構造や現象が見られ、国内の理化学研究所を始め世界中の二次ビーム施設で研究が進められている。一方、阪大核物理研究センターなどの軽イオンビーム施設で開発されてきたスピン偏極軽イオン反応による実験・解析手法は、核反応や核構造、特にスピン依存相互作用の現れを解明する上で強力な手法であることが実証されてきた。
 この偏極軽イオンというプローブを不安定核の研究に導入するため、東大原子核科学研究センターと理化学研究所では、全く新しい偏極原理を採用することで不安定核ビーム実験に適用可能なスピン偏極陽子標的を開発してきた。
 本講演ではこの偏極陽子標的について紹介した後、偏極陽子と中性子過剰ヘリウム同位体の弾性散乱のスピン非対称測定から得られた知見について議論する。また、スピン偏極陽子をプローブとした不安定核研究の今後の展開として、核子ノックアウト反応・(p,n)IAS荷電交換反応・陽子共鳴散乱などの広義の “散乱” 実験と、そこから得られる物理について議論したい。

q891.pdf
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