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本文へジャンプ 2007年 9月12日更新 

大学院特別講義


2007年大学院特別講義
講師:延与 佳子 氏(京都大学基礎物理学研究所)
題目:『軽い原子核のクラスター構造』
場所:第一会議室(2154号室)

日時:
日にち 時間割
10月10日(水)   13:30 -- 15:00 15:30 -- 17:00
10月11日(木) 10:30 -- 12:00 13:30 -- 15:00 16:00 -- 17:00
10月12日(金) 10:30 -- 12:00 13:30 -- 15:00

内容:
 軽い原子核にはしばしばクラスター構造(核子が集まってサブグループを作った構造)が出現することが知られていた。近年の不安定原子核(陽子数と中性子数のアンバランスな原子核)の研究が進展するとともに新しいタイプのクラスター構造が発見される中で、クラスター的性質が不安定原子核を理解する上でも重要であることがわかってきた。今回は、最初にクラスター構造を記述する理論的模型を簡単にレビューした上で、近年注目されている以下のテーマについて、クラスター的観点からの理論的研究を中心に講義を行う。
・従来のクラスター模型と最近の発展
・不安定原子核の低励起状態におけるクラスター構造
・クラスター気体的状態
・中性子過剰核における分子軌道的構造
・その他の奇妙はクラスター構造
第2回教室談話会
題目 : 「軽い原子核の奇妙な構造 -Cアイソトープのクラスター構造-」
講師 : 延与 佳子 氏(京都大学基礎物理学研究所)
日程 : 10月11日(木)16:00 - 17:00
場所 : 第一会議室(2154号室)

講演要旨 :
 軽い原子核にはしばしばクラスター構造(核子が集まってサブグループを作った構造)が出現することが知られていた。近年の不安定原子核(陽子数と中性子数のアンバランスな原子核)の研究が進展するとともに新しいタイプのクラスター構造が発見されつつある。例えば、クラスター芯の周りに形成された分子軌道に余剰中性子が入った構造(分子軌道的構造)が中性子過剰なBeアイソトープで見つかった。さらに最近、安定原子核の励起状態に、数個のα粒子が緩く結合したクラスター気体的な状態が提唱されホットな話題になっている。このように、核子多体系では一部の粒子が強く相関してクラスターを形成することで多様な現象が現れる。今回の講演では、クラスターに起因した奇妙な構造のいくつかを紹介する。

備考 : 11日には夕食会を予定しています。

これまでの大学院特別講義
2005年度大学院特別講義
  • 講師 : 大塚 孝治 氏 (東京大学大学院理学研究科教授 )
  • 題目 : 不安定核とスピン・アイソスピン
  • 日程 : 10月31日、11月1日、2日
  • 備考 : 11月1日に談話会「エキゾチックな原子核 −300から7000へ−」が行われます。

2004年度大学院特別講義
  • 講師 : 初田 哲男 氏 (東京大学大学院理学研究科教授 )
  • 題目 : 量子色力学に基づくハドロン物理学
  • 日程 : 2004年10月18日、19日、20日
  • 備考 : 台風23号の為、20日の講義ができなくなるおそれがあったので、20日の講義1講分を19日の談話会終了後に実施。


Nuclear Theory Group, Department of Physics, Kyushu University