本研究室では、ハドロン物理、原子核反応論、原子核構造論の3つの研究しており、原子核・ハドロン分野のほぼ全域をカバーしています。 |
ハドロン物理とは、メソンやバリオンの性質を解明する分野です。代表的なバリオンは核子です。バリオンは、主に、三つのクォークから構成され、その周りをグルーオンが飛んでいると考えられています。(図1参照)
また、メソンは主にクォークと反クォークからなると考えられています。(図2参照) |
図1 |
図2 |
この物理を解明するには、量子色力学(QCD)を用いますが、このQCDは、その解法が困難なことで有名な場の理論であり、ハドロン物理の本質は未だ十分に理解されていません。このように、ハドロン物理は非常にチャレンジングな分野です。(図3参照) |
図3 |
原子核反応論とは、原子核と原子核を衝突させたときに、その衝突時にどのような現象が起こるかを解明する学問です。この原子核反応論では、散乱の量子論を駆使して、少数体系の散乱現象を解明します。最近、不安定な原子核を標的核に衝突されることが、実験的に可能になってきました。この不安定核反応実験は、世界中の大きな研究所で行われております。この不安定核反応を用いて、未だ解明されていない不安定核の性質が解明されつつあります。本研究室は、この分野で世界的な業績を上げています。この原子核反応は、天体核物理、宇宙核物理を支える重要な基礎分野でもあります。(図4、図5参照)
|
図4 |
|
図5 |
原子核構造論とは、原子核の構造を解明する分野です。原子核の運動は、主に、表面振動と回転によって表す事ができます。最近、不安定核の中に、大きく球形から変形した原子核や分子と似通った構造をもつ原子核が、理論的に予言されています。これらの原子核は、安定核には無かったもので、注目をされています。また、安定な原子核の外を複数の中性子が回る、ハロー原子核も見つかっており、外の複数の中性子の間にどのような力がはたらいているか、超流動現象との比較から、その力の解明は大きな課題となっています。原子核構造論では有限多体系の量子論を用いますが、その解法は困難な問題として知られており、チャレンジングな分野です。(図6参照)
|
|