九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第904回九大原子核セミナー

2012年10月26日(金) 16:30

講師:永田 桂太郎 氏 (広島大学 情報メディア教育研究センター)

演題:格子QCDシミュレーションによる有限密度QCDの研究

場所:理学部 物理大学院講義室(理学部2号館2階2263室)

概要:
 強い相互作用の作る物質は、温度や密度によって、原子核やクォークグルーオンプラズマなど多様な状態をとると考えられている。それらの性質やその間の相転移の振る舞いの解明はハドロン物理学の重要な課題となっている。強い相互作用の第一原理計算である格子QCDシミュレーションの有限密度系への応用は符号問題のために困難な課題だが、近年、符号問題回避の様々なアイデアが導入され格子QCDによる有限密度系のデータが得られるようになってきている。
 本セミナーでは、有限密度格子QCDにおける符号問題回避のいくつかのアイデアを紹介し、有限温度密度下でのQCDの性質について議論する。内容としては、最初に格子QCDと符号問題を簡単に説明した後、符号問題回避のアイデア(テーラー展開法、reweighting 法、虚数化学ポテンシャル法)を紹介し、格子計算から得られた有限温度密度下でのQCDの性質を概観する。時間があれば、最近の話題として、バリオン数分布やゆらぎの格子QCDを用いた計算法や格子データと高エネルギー実験データの比較などを議論する。


q904.pdf
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