九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第873回九大原子核セミナー

2010年7月30日(金) 16:00

講師:森川 恒安 氏(九州大学)
演題:A=30〜40中性子過剰領域の高スピン核分光と40Arの超変形状態
場所:理学部物理大学院講義室(理学部2号館2階2263室)

概要 :
原子核の超変形状態は大きな変形における原子核の殻構造を調べる上での理想的な実験場と考えられていて、実験・理論の両面から精力的な研究が行われてきた。超変形状態は実験的には特定の質量数領域: A=40, 60, 80, 130, 150, 190において見いだされてきており、超変形状態の発現には特定の陽子・中性子数で生じる超変形シェルギャップの存在が重要な役割を果たしていると考えられている。A=30〜40領域では、これまでに見つかった超変形核の系統性から、この領域でのN=Z=18, 20, 22の超変形魔法数に対応したシェルギャップの存在が示唆されていたものの、超変形が確認された核はいずれもN=Zのものに限られていた。一方、この領域の中性子過剰側には、N=20の中性子魔法数が消失し基底状態が巨大変形した、いわゆる「逆転の島」の存在が知られおり、安定核から「逆転の島」へ至る遷移領域での殻構造の変化も興味が持たれている。
最近我々は、中性子過剰のAr 同位体である40Ar核(Z=18, N=22)について超変形状態の探査実験を行い、この核にも超変形状態が現れることを明らかにした。セミナーではこの40Arの実験・解析結果などについて紹介する。
873.pdf
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