九大原子核セミナー

九州大学の原子核理論と原子核実験の共同開催のセミナー

第876回九大原子核セミナー

2010年10月22日(金) 16:00

講師:米山 博志 氏(佐賀大学)
演題:有限温度・有限密度におけるQCD臨界点近傍の特異性
場所:理学部・物理・第三講義室(理学部2号館2階2249室)

概要:
有限温度・有限密度QCDの相図の決定は、重イオン反応実験の進展とも相まって重要な研究テーマになっている。特に、QCD臨界点については様々の方法によってその存在が予言されているが、格子ゲージ理論による数値的検証は深刻な符号問題のために確定的段階にいたっていない。
格子ゲージ理論ではこの符号問題を回避するために、テーラー展開法や虚数化学ポテンシャル法などの方法が用いられているが、これらの方法の有効性は複素化学ポテンシャル平面におけるsingularity と関係している。このsingularity は分配関数の零点と密接に関係しており、したがって、分配関数の零点の構造を見ることにより、これら方法の有効性を調べることが可能になる。また分配関数の零点の研究は、臨界現象の理解にたいして通常の方法とは相補的な視点を提供し、その理解を深める重要な役割をしている。
本研究では、複素化学ポテンシャル平面内の、主に臨界点近傍におけるsingularityの様相に注目をし、QCDの有効理論とモンテカルロ計算を用いた計算の結果について報告をする。
876.pdf
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